■セラピストの心得
◎心構えの重要性
セラピストとして働くために身につける必要があるのは「知識」と「技術」ですが、もうひとつ大切なのはその「心構え」にあるといえるでしょう。心身の癒しを目的とするセラピーは、お客さまと直接向き合う接客業です。お客さまが求めるものは、もちろんセラピストが提供するメニューから受けられるサービスになりますが、セラピストの心構え次第で、その満足度がまったく異なる場合も考えられます。どのような心構えでセラピーに臨むのかということは、セラピストにとって知識や技術の習得にも増して重きを置く必要があるといえるでしょう。
◎信頼と安心を与える笑顔
どんな種類のセラピストであっても、最も重要なのはつねに自然な笑顔を絶やさないことではないでしょうか。セラピストの穏やかな微笑みやなにげない会話、やさしさに満ちた雰囲気などによってお客さまは心を開き、リラックスしてセラピーを受けることができます。心身の癒しとは、心身の緊張をときほぐすことでもあります。充実したセラピーを行うためにも、お客さまの信頼感や安心感を得ることが非常に大切であるといえるでしょう。
◎お客さまの望むものを理解する
セラピーにはさまざまな手法がありますが、お客さまによって、また同じお客さまであっても状況によって、求められる癒しの方法が微妙に変わってくることもあります。セラピストは、お客さまが望むものを的確に掴み取り、しっかりとコミュニケーションを図ることが大切です。そして、最適なサービスを提供することができれば、お客さまの満足度向上につながっていくでしょう。
◎リラックスできる環境づくり
セラピストにとって大切なのは、お客さまの気持ちにいつも寄り添って、お客さまにとってリラックスできる環境づくりを心がけることだといえます。お客さまの言葉に丁寧に耳をかたむけること、話しやすい雰囲気をつくること、常連のお客さまであれば、かつて交わした会話のなかからさらにリラックスできるような展開を試みることなどが挙げられるでしょう。また、お客さまの心身を癒すことそのものにセラピスト自身が喜びを感じていれば、日々の努力やこまやかな心配り、穏やかな微笑みなどは自然と表れてくるでしょう。
◎向き合うこと
大事なのが、真剣にお客様と向き合うことです。セラピストとして長く経験を積むと、普段の施術に「慣れ」を感じてきてしまうもの。セラピストにとっては毎日行っている施術でも、お客様ひとりひとりが求めるものは違います。お客様は「体の不調を解消したい」とか「もっと美しくなりたい」といった目的をもって期待を寄せています。同じ圧であっても、日ごろが辛くて仕方がないので楽にしてもらいたい場合もありますし、それよりも痛くなくてまったりしたいのかもしれません。慣れで仕事をするのではなく、お客様一人ひとりと向き合って施術を行っていくことがオンリーワンになっていくことでもあるのです。 |